『祈り』 [本]

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伊岡瞬・著(文春文庫)

男性主人公が2人。
とにかく、そのひとりの人間性が腹立たしい。

仕事も適当。気に入らなければ毒づき、年上の女性上司に親切にされると、厚かましくも自分に気があると都合のよい解釈をして頭にのって、何様発言でその人を傷つける。
はっきり言って、ダメ男だ。

なのに、もうひとりの主人公はこの青年が事故で死の淵にいるとき「この青年が、どんな悪いことをしたというのだーー」
と、自身が嫌っている特殊能力を振り絞って助かるように願ってしまう。

人を幸せ願うのはいいと思う。
その前に、そいつ、いい奴か???
この感覚、男と女では違うんだろうか。あんたが命をかけてまで祈るほどに?

男性作者の描く男性と、女性作者の描く男性像が微妙に違ってるのって、面白いなって思う。

その差異が、色々相容れない物語を生むんだろうな。
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