『命売ります』 [本]

2024-03-10T15:33:19.jpg
三島由紀夫・著(ちくま文庫)

少ししか三島文学は読んでないくせに、なんだかすごく意外な作品に思えた。
ギャグの要素が強くて、軽快な文章で、ちょっとシニカル。

タイトルに興味を惹かれて購入したんだけど、こんな話も書いていたのかー、と新鮮な驚きだった。
筒井康隆さんとか、星新一さんっぽいな、と軽やかに読み進めてたら、後半はなるほどやっぱり三島節。
生死観が、考えさせられる。

いつ死んでもいいから、命を売ろう。
売り手が現れたが、助かってしまう。
何度か繰り返して、少し命を売る仕事の中休みをしようとすると、命が狙われ出した。
逃げて潜伏するうちに気づく。逃げるというその動機が「死の恐怖」そのものだということに。

このラスト、三島由紀夫が語ったという
『人は自分のためだけに生きて自分のためだけに死ねるほど強くない』
に通じる気がする。

熱く語れるほどに三島文学に詳しくないんだけど、これだけは言える。
多感な思春期のときに、出会わなくてよかった!
ぜったい影響受ける。自分……。
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