『赤い蠟燭と人魚』 [本]

2020-12-13T17:33:02.jpg
小川未明・著(童心社)

石持浅海さんと混同していたので、なんでか気になって再読。
単に、タイトルが「人魚」繋がりだったからと思われる。


こちらの人魚は哀しい。

母親の人魚が「海の底より人間の世界の方が、明るく華やかで楽しいに違いない。わが子はそんな世界で生きてほしい」その願いで子どもを蠟燭職人の老夫婦に託した。

老夫婦も初めは優しい育ての親だった。
香具師に踊らされるまでは。

人魚の少女は、たとえ姿が人魚のため外に出られなくも、老夫婦の元で暮らしていたかったのだろうか。
海が恋しいとかは思わなかったのだろうか。

徹頭徹尾、人魚の少女がかわいそうだった…。

少女は助かったのかなぁ。
母親人魚の絶望感は、後々、町を滅ぼしてしまうまでに深かったことを考えると、助からなかっのだろうか。

すごく、哀しい読後感。
いわさきちひろさんの画が、さらにその哀愁を引き立てる。
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